TAMIYA 1/24 PORSCHE 956 Built by Yusaku Kumaki(@kumadnesss)

  
2024年7月の展示会でいただいたタミヤのポルシェ 956をベースにClaymodelsのアップグレードパーツ3種を盛込み製作しました。当初フロントとリアのカウルを着脱できる構造とするべく製作していましたが、Claymodels製エンジンアップグレードパーツの精緻な出来上がりを見て方針転換、塗装に力を入れ、ストリップ状態で仕上げることにしました。出来上がった姿を見てこの判断に間違いはなかった、と感じています。
 
製作はまずエンジン・ギヤボックスにアップグレードパーツを組込む事から始めました。アップグレードパーツのモールドに魅了されつつキットのシリンダーブロックに仮組、組み付けを進めますが、まるで3D CADで設計されたプラモデルの如く組み付いていきます。レジン製のアフターパーツというと事前のすり合わせが必須のイメージがありましたが嬉しい誤算でした。説明書で指示された穴開けや位置合わせなどはあるものの、パテを使ったりサンディングによる形状変更が必要となる部品は一つもありませんでした。
 
組み付けがある程度進んだら次に塗装を行います。本作で最も力を入れたのがこの工程です。カーモデルでは通常ベタ塗りが主体となりますが、今回はウォッシングとドライブラシにより一つ一つの部品の存在感を高めつつもまとまりを感じさせる雰囲気に仕上げました。
アップグレードパーツには細かな部品があり、紛失や破損を防ぐ為ある程度組んでからマスキングして塗り分けました。
精緻なモールドを引き立たせるべく、ガイアカラー、Mr.スーパーメタリック2シリーズ、タミヤカラー ラッカー塗料と普段よりも多くの塗料を使っています。なおウォッシングはタミヤ スミ入れ塗料のブラック、ドライブラシはメタリック系にタミヤのスパークリングシルバー、黒系はタミヤスミ入れ塗料のグレイをメインに使用しました。
 
本作はもとのキットとは異なり、パワートレーンをモノコックに直接取り付けるストレスマウント方式としています。洋白板を切り出してL字型のエンジンマウントを製作、モノコック側に瞬間接着剤で貼り付け、塗装が完了したらキットに含まれるサブフレームで位置合わせをしつつ、シリンダーブロックをエンジンマウントに固定します。文章だけでは少々わかりにくいですが、簡単な構造の割に強度が出ています。
 
パワートレーンの組み付けと並行してパイピングも行います。もとのキットにはない燃料ポンプが再現されていたり、点火系もパイピングしやすい部品構成になっているため、これらに重点を置いて再現しました。黒いコードはアドラーズネストの超極細(0.4mm)、シルバーのメッシュホースは0.7mmのフレキシブルワイヤーにヤスリの目を転写したもの、フィッティング(継手)は3Dプリントによる自作品を使用しています。資料はアップグレードパーツに同梱されていた写真を参考にしました。
 
フロントセクションはプラ板や真鍮パイプによるスクラッチが主体です。アップグレードパーツを盛り込んだリアセクションやブレーキの再現度と大きな差が出ないように作り込みます。ここでもアップグレードパーツに同梱された写真データが大いに参考になりました。ブレーキ冷却用のフレキシブルダクトは0.3mmの真鍮線とハセガワのホワイトフィニッシュで製作しました。プライマーを噴いてから塗装していますが、多少の変形では塗装が剥がれない為助かりました。
 
ボディはゼッケン灯やキルスイッチ等の別体化、スジボリを行った程度で形状変更は行いませんでした。フロントカウルはライトをバルケッタのライトレンズと反射カップに交換、リアカウルはキットのままです。
 
ボディの塗装は全てガイアカラーで行い、最終的な仕上げはコンパウンド磨きのみで行っています。リアカウルは磨き残しがあった為、展示終了後に改めて磨いています。ボディ磨きに使用したコンパウンドはホルツ 液体コンパウンド細目(MH140)、ハセガワ セラミックコンパウンドの2種のみです。いずれもワックスを含まないため磨き具合の確認がしやすい(洗い落とさず確認できる)のが特徴で、特にホルツのものは柚目消し~ある程度の艶出しまで一本で対応できるため重宝しています。
 
モデルの製作が終わったら、最後に展示ベースを作成しました。今回はパワートレーンの塗装に力を入れており、それに自然と目がいくようメインとなる車体を角度をつけて配置、フロントとリアカウル、タイヤはその脇にバランスよく配置しました。タイヤのチョークマーキングは白色のゲルインクボールペン(パイロット ジュース 0.5mm)を使用しています。指などで触れると簡単に落ちてしまいますが、ゴムに対して一定の太さで綺麗に書けるため便利です。展示ベース自体はアクリル製の写真立てを流用、カラフルな車体を目立たせるようシルバー寄りのカーボン柄でシンプルに仕立てています。
 
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